Categories: 人物に学ぶ

「渥美清」という男 vol.190

 

    ボクサーはいいよなぁ

 タオルを投げてくれる人がいるからね。

 

 役者は自分でタオルを

    投げなきゃならないから。   

                                    渥美清 

 

◇ 映画 「男はつらいよ」シリーズ

   計48作に主演した渥美清氏は、

  いつかは投げるタオルを握りしめながら、

  銀幕のリングに27年間も上がりつづけた。

 

「寅さん」の新作を求めてやまない

  ファンを思い、渥美清氏はみずからのリングに

タオルを投げ入れることをしなかった。

 

シリーズ最終作「寅次郎紅の花」

見られた方は、おわかりになると思うが、

それまでの作品に比べ、

寅さんの出番が極めて少ない。

 

撮影時の渥美氏に触れたくだりがある。

 

ロケで泊まった宿の女将が差し出す色紙に、

渥美さんはペンを持とうとしなかった。

 

癌に冒されて、体力と気力は

それほどまでに消尽していた。

 

平成8年に、転移性肺がんのため

とうとう 寅さんは この世を去った。

 

   68歳没

 

「俺のやせ細った死に顔を

    他人に見せたくない」

 

「骨にしてから世間に知らせて欲しい」

 

 という寅さんの遺言により

 家族だけで密葬が行われた。

 

その後、「寅さんお別れの会」が開催され、

山田洋二監督が弔辞を読み上げた。

 

*********************

5年前に渥美さんの病気を知り、

予断を許さないのは知っていた。

 

そろそろ開放してあげたいと思いながら、

 

  もう一作、もう一作だけ、

 

と思って48作も撮ってきました。

 

医師からは、遺作となった映画に

出演できたのは、奇跡とまで言われました。

 

今は後悔しています。

 

なぜそんなに苦しめたのか。

 

27年間、映画を作る喜びを

与えてくれてありがとう。

 

スタッフも幸せでした。

 

心からお礼を申し上げます。

 

*********************

 

<今日の名言>

狂気は個人にあっては希有なことである。

しかし、集団・党派・民族・時代にあっては

通例である。   

          ニーチェ

 

*人はその数が多くなるほど
 狂気が増していきます。
 それは単に通例にしかすぎません。

 

今日一日の人生を大切に!

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トンビ博士

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