ボクサーはいいよなぁ
タオルを投げてくれる人がいるからね。
役者は自分でタオルを
投げなきゃならないから。
渥美清
◇ 映画 「男はつらいよ」シリーズ
計48作に主演した渥美清氏は、
いつかは投げるタオルを握りしめながら、
銀幕のリングに27年間も上がりつづけた。
「寅さん」の新作を求めてやまない
ファンを思い、渥美清氏はみずからのリングに
タオルを投げ入れることをしなかった。
シリーズ最終作「寅次郎紅の花」を
見られた方は、おわかりになると思うが、
それまでの作品に比べ、
寅さんの出番が極めて少ない。
撮影時の渥美氏に触れたくだりがある。
ロケで泊まった宿の女将が差し出す色紙に、
渥美さんはペンを持とうとしなかった。
癌に冒されて、体力と気力は
それほどまでに消尽していた。
平成8年に、転移性肺がんのため
とうとう 寅さんは この世を去った。
68歳没
「俺のやせ細った死に顔を
他人に見せたくない」
「骨にしてから世間に知らせて欲しい」
という寅さんの遺言により
家族だけで密葬が行われた。
その後、「寅さんお別れの会」が開催され、
山田洋二監督が弔辞を読み上げた。
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5年前に渥美さんの病気を知り、
予断を許さないのは知っていた。
そろそろ開放してあげたいと思いながら、
もう一作、もう一作だけ、
と思って48作も撮ってきました。
医師からは、遺作となった映画に
出演できたのは、奇跡とまで言われました。
今は後悔しています。
なぜそんなに苦しめたのか。
27年間、映画を作る喜びを
与えてくれてありがとう。
スタッフも幸せでした。
心からお礼を申し上げます。
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<今日の名言>
狂気は個人にあっては希有なことである。
しかし、集団・党派・民族・時代にあっては
通例である。
ニーチェ
*人はその数が多くなるほど
狂気が増していきます。
それは単に通例にしかすぎません。
今日一日の人生を大切に!