◇ プロ4年目の25歳。
突然、僕は二塁手となった。
ずっとショートだった。
ケガでポジションを奪われた。
やむおえずのコンバートだった。
気乗りがしなかった。
でも、初めてセカンドの
定位置に陣取って、びっくりした。
わずか数メートル左に動いただけなのに、
見える世界が変わった。
打者と投手の駆け引きが。
一塁手とランナーのせめぎ合いが。
双方のベンチが全部見える。
攻めと守り、投げると打つ。
敵味方を同時に見渡せる。
そんな二塁手の目を持ったからこそ、
敵の隙を盗み、盗塁王になれた。
投手の癖を盗み、3割バッターになれた。
メジャーリーグで、
ワールドチャンピョンの一員になれた。
得意のショートに居直っていたら、
おそらくたどり着かなかった未来。
自ら望まない偶然を、
必然に変えたからこそ、
今の僕がいる。
次はどんな偶然を必然に変えようか。
千葉ロッテマリーンズ 井口資仁
◇ ほんの少し立つ位置を変えるだけでも
見える世界が変わります。
しかし変わったことが
わからない人も大勢います。
日頃から準備を怠らず、そのような感性を
磨いておくことが大切です。
◇ 2017年6月20日、井口資仁選手は、
今期限りで引退を発表しました。
井口選手は、 日本とアメリカの両方で、
優れた実績を残しました。
「井口みたいに野球を
深く理解している選手はいない」
ホワイト・ソックスがワールドシリーズを
制覇した際に、オジー・ギーエン監督(当時)が
残したコメントは有名です。
井口選手、現役生活大変お疲れ様でした。
来年度からは、違う形で
お会いできることを楽しみにしています。
<今日の名言>
アマチェアは和して勝つ、プロは勝って和する
三原 脩(おさむ)
*黄金時代の読売ジャイアンツを
破った西鉄ライオンズの名監督
アマチェアにとってチームワークは
重要ですが、プロは勝ってなんぼの世界です。
勝つことによってチームワークができると
三原氏は言っています。
われわれもプロです。
勝ちにこだわりたいものです。
今日一日の人生を大切に!