◇ アメリカやEC諸国の政策、
そして朝鮮半島等
先が読めない状況の場合、
株式市場では株安や円高など
「リスクオフ」 が 加速します。
「リスクオフ 」とは
リスクから逃れること。
2008年のリーマン・ショック以降、
この金融用語が浸透してきており、
ここ最近「リスクオン・リスクオフ」
という言葉をいろんなところで
目にする機会が増えてきました。
◇ この先、景気が大幅に減速する
かもしれない。
欧州での金融不安が再び高まる
かもしれない。
外交交渉が決裂し国際情勢が悪化する
かもしれない。
朝鮮半島で戦争が勃発する
かもしれない。
人間の不安心理が渦巻くマーケットには
この 「かもしれない」が盛りだくさん
並ぶことになります。
その「かもしれない」がたくさん並んで
現実化する可能性が増してきたときに
一気に「リスクオフ」が加速します。
特に日本人の場合は、
リスクを極端に遠ざける傾向が強い。
“リスクに弱い” ということ。
これは日本人の特性でもあります。
◇ リターンの見込みは低くても、
損失を抑えるために、日本国債や円などの
安全資産に資金を移す投資家の行動も、
「リスクオフ(リスクから離れる)」
と言います。
その逆の動きが
「リスクオン(リスクに接する)」です。
主要先進国の景気が良好な場合は、
株式などに投資家の資金が向かいやすい。
◇ では、「リスクオフ」のとき円は、
なぜ買われるのか?
そもそも円は、なぜ安全資産と
言われているのか?
「日本は人口が減少しているし、
財政悪化から年金もどうなるかわからない。
そのような国の通貨がどうして
安全資産なのだろうか?」
そんな声を良く聞きます。
日本円が安全資産と言われる
一つの理由として、日本が世界最大の
対外純資産保有国であることが挙げられます。
日本が国全体として海外に保有している
資産から、外国が日本に投資している資産を
除いて計算する対外純資産は、
海外で稼ぐ力が大きく、経済力を持っている
国ほど大きくなるため、必然的に
国の信用力も高く維持されます。
信用力の高い国ほど長期金利は低くなるため、
市場が「リスクオン」にある時は
より高いリターンを求めて財政基盤が弱く
金利が高い国(ブラジルやトルコなど新興国)
の通貨が買われる傾向にあります。
このとき円は相対的に円安です。
その「リスクオン」ムードが一変し、
マーケットに不安が渦巻く「リスクオフ」
になると、利回りが低くてもより
安全な資産である円が買われるために、
円高に為替相場が動く傾向があるのです。
◇ 「リスクオン・オフ」の切り替わりは
短期的な市場の動きとしてよくあること
であり、行き過ぎた価格はいづれ
あるべき水準に戻ります。
「かもしれない」がたくさん並んでいる現在は、
「リスクオン・オフ」への替わり目であり、
これから「リスクオフ」が加速するのではないかと、
トンビは考えているところです。
投資対象の価値を見据えて投資をし、
長い時間軸でその運用成果を待つ、
そういったスタンスがこれからは、
大事なのかもしれません。
今日一日の人生を大切に!