◇ 日露戦争で日本が勝つまでは、
アメリカは日本に対して友好的であった。
ところが日露戦争で日本が大勝して、
中国大陸における日本の台頭が
めざましくなってくると、
アメリカは日本に対して
危機感をいだきはじめた。
日本の極東での勢力が大きくなると、
アメリカは中国大陸、東南アジアへの
影響力支配力を失い、米本土そのものも
危うくなるためだ。
◇ ちょうどその頃 日本の三国同盟締結、
満州国建国、それに対する中国の抗日
プロパガンダ等々、絶好の日本叩きの
口実を得たアメリカは、日本に対して
在米資産の凍結、輸出停止を行った。
当時、石油燃料とニッケル他金属の実に7割を
アメリカからの輸入に頼っていた日本は、
「それはかんべんしてください」 となり、
日米の交渉が始まることになる。
しかし
米の交渉そのものがいつまで続くかまったく不明。
日中戦争を継続するためにも石油とニッケルは必要。
従って、日本はアメリカと交渉をしつつ、
その一方で
資源をもとめてインドシナへの進出を開始した。
これに激怒したアメリカは、交渉において
日本への要求がどんどんエスカレート。
最終的には理不尽な要求をされ、
いよいよ日本も堪忍袋が切れて
真珠湾攻撃の流れとなったのである。
その交渉の過程で、歴史的にも重要な
資料として「ハル・ノート」が存在する。
◇ 「ハル・ノート」というのは
日本とアメリカ間でかわされた交渉メモのこと。
特に最後にアメリカ側から日本に
突きつけられた理不尽な要求メモのことを指す。
敗戦後日本を統治君臨したマッカーサー元帥は、
帰国後アメリカ議会で、
「日本が引き金を引いた太平洋戦争は、
あくまで自衛の戦争だった
ということがわかった」
と証言している。
その理由は、
日本を開戦に追いこんだ悪名高き
「ハル・ノート」は国務長官だった
コーデル・ハルが書いたものではなく、
実は彼のスタッフだったホワイトという男が
書いたものということがわかった。
さらにマッカシー上院議員による赤狩りの中で
ホワイトがなんとコミンテルンの
隠れたメンバーだったことが露見し、
ホワイトは自殺に追いこまれた。
モスクワの密命を受けたスパイが、
ソヴィエトの南進の野心を遂げさせるために
日本を戦争に追い込んでしまったのだ。
「ハル・ノート」は海外領土と種々権益を
一切放棄して返さぬ限り、アメリカ、イギリス、
フランスの国々は一切の物資の供給を
停止するという過酷なものであった。
◇ 歴史を紐解いていくと、
いろんなことが見えてくるが、
太平洋戦争開戦直前 と 朝鮮半島の
緊張が高まっている現在の状況とが
大変似通っていることに気づく。
別に北朝鮮を擁護するわけではないが、
あの国が国際社会の中で主権国家を
維持していくためには、核開発、核配備の
道は避けられず、
そんな中で、安保理主導の制裁措置が
だんだんとあの国を追い詰めていく
ことにならないだろうか?
最悪の場合、
「 北朝鮮が引き金を引いたあの戦争は、
あくまで自衛の戦争だった」
というような証言が、数十年後に出てくる
可能性もありはしないか。
かつての日本がそうだったように。
歴史は 間違いなく 繰り返すのである。
今日から米韓演習が始まる。
*今日一日の人生を大切に!