◇ 夏の風物詩といえば花火です。
その中でも線香花火は
今でも大変人気があります。
線香花火の名の由来は、
江戸時代に香炉に線香のように
立てて遊んだからとされます。
◇ その線香花火は、火がついてから
落ちるまでの間に、
花火の様子が四回変わることを
ご存知ですか?
最初は、チロチロと膨らんで
燃える様が「牡丹」です。
次に、パチパチと勢いよく音が鳴る
「松葉」に変わります。
だんだん火足が下がるのが「柳」。
そして 細い火花が一本また一本と
消えていくのが「散り菊」。
これら四つの変化を経て、
小さな玉になった火は、ポトンと落ちます。
◇ この燃え方は、昔から、
人の一生にも重ねられてきました。
この世に生を亨け、
すくすく育っていく様が「牡丹」。
「松葉」は青春時代から働き盛りの時期。
人間的にも円熟味を増して「柳」になり、
最後は衰えて火が消えるというわけです。
◇ 一本の線香花火に使われる火薬の量は、
わずか0.07グラムほどだそうです。
耳かき二杯程度の火薬を和紙で撚って、
線香花火は作られます。
その精緻な技術もさることながら、
そこに人生をもなぞらえるあたりに、
日本的な感性があるのかもしれません。
*今日一日の人生を大切に!