◇ 華やかなメディア企業から、
究極のブラック企業へ一瞬にして
イメージが陥落した ○通。
亡くなった社員の母親は
「軍隊のような社風をなくしてください」
と訴えている。
何が ○通を狂わせたのか。
◇ かつては、名声を誇りながらも、
倒産したり、 輝きを失ってしまった
企業は多い。
これらの組織の凋落は、事業慣行から
うまく抜け出せなかったからである。
企業に根づいた企業文化、枠組みや
システムは、既存の環境の中で育まれる。
だが、その環境に変化が生じると、
従来の枠組みとシステムは負債に変わる。
◇ 体育会系のノリと機転のきく頭脳を
兼ね備えた○通は、幹部たちの
理不尽な要求が、だんだんとエスカレート
して、 とうとう瀬戸際まで追い込まれた。
これはまさに日本企業に対する警鐘でもある。
◇ その○通の社風の中核に位置するのが
「鬼十則」
「広告の鬼」といわれた吉田秀雄社長の
有名な「鬼十則」がどんな内容だったのか、
再度確認してみる。
【 鬼十則 】
① 仕事は自ら「創る」べきで、
与えられるべきではない
② 仕事とは、先手先手と「働き掛け」て
行くことで、受け身でやるものではない
③ 「大きな仕事」に取組め
小さな仕事は己を小さくする
④「難しい仕事」を狙え、
そしてこれを成し遂げるところに進歩がある
⑤ 取組んだら「放すな」
殺されても放すな 目的完遂までは
⑥ 周囲を「引きずり回せ」
引きずるのと引きずられるのとでは、
永い間に天地の開きができる
⑦ 「計画」を持て。長期の計画を
持っていれば、忍耐と工夫と、
そして正しい努力と希望が生まれる
⑧ 「自信」を持て、自信がないから
君の仕事には、迫力も粘りも、
そして厚みすらがない
⑨ 頭は常に「全回転」
八方に気を配って、一分の隙も
あってはならぬ。
サービスとはそのようなものだ
⑩ 「摩擦を恐れるな」 摩擦は進歩の母、
積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる
◇ 吉田氏は「鬼」といわれるだけあって、
仕事に対する考え方や情熱も
人並み外れており
「世界は俺が回してやる」
というような力強さを感じる。
この「鬼十則」を机に貼って
毎日眺めていれば、あなたも仕事の
鬼になれるかもしれない。
鬼が増えすぎるのもの考えものだが….
明言もたくさんある。
すべてが悪いわけではない。
しかし
「取り組んだら放すな、殺されても放すな ・・」
という内容が過重労働につながる
という指摘を受け 社員に配る手帳への
掲載を取りやめた。
時代の流れに合わない社風を変えなければ、
という苦渋の決断だったのであろう。
「鬼十則」は、65年の歴史に
終止符を打つことになる。
*今日一日の人生を大切に!