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負の遺産と化した「鬼十則」    vol.77

◇  華やかなメディア企業から、

     究極のブラック企業へ一瞬にして

     イメージが陥落した 通。

 

    亡くなった社員の母親は

 「軍隊のような社風をなくしてください」

     と訴えている。

 

    何が 通を狂わせたのか。

 

◇ かつては、名声を誇りながらも、

     倒産したり、 輝きを失ってしまった

    企業は多い。

 

   これらの組織の凋落は、事業慣行から

   うまく抜け出せなかったからである。

 

   企業に根づいた企業文化、枠組みや

   システムは、既存の環境の中で育まれる。

 

   だが、その環境に変化が生じると、

   従来の枠組みとシステムは負債に変わる。

 

◇ 体育会系のノリと機転のきく頭脳を

    兼ね備えた○通は、幹部たちの

    理不尽な要求が、だんだんとエスカレート

   して、  とうとう瀬戸際まで追い込まれた。

 

  これはまさに日本企業に対する警鐘でもある。

 

◇ その通の社風の中核に位置するのが

                  「鬼十則」

「広告の鬼」といわれた吉田秀雄社長の

  有名な「鬼十則」がどんな内容だったのか、

  再度確認してみる。

 

【 鬼十則 】

①  仕事は自ら「創る」べきで、

      与えられるべきではない

 

② 仕事とは、先手先手と「働き掛け」

       行くことで、受け身でやるものではない

 

「大きな仕事」に取組め

      小さな仕事は己を小さくする

 

「難しい仕事」を狙え、

    そしてこれを成し遂げるところに進歩がある

 

⑤ 取組んだら「放すな」

       殺されても放すな 目的完遂までは

 

⑥ 周囲を「引きずり回せ」

       引きずるのと引きずられるのとでは、

       永い間に天地の開きができる

 

⑦  「計画」を持て。長期の計画を

        持っていれば、忍耐と工夫と、

        そして正しい努力と希望が生まれる

 

⑧  「自信」を持て、自信がないから

        君の仕事には、迫力も粘りも、

        そして厚みすらがない

 

⑨    頭は常に「全回転」

       八方に気を配って、一分の隙も

       あってはならぬ。

       サービスとはそのようなものだ

 

⑩  「摩擦を恐れるな」 摩擦は進歩の母、

       積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる

 

◇ 吉田氏は「鬼」といわれるだけあって、

     仕事に対する考え方や情熱も

     人並み外れており

   「世界は俺が回してやる」

    というような力強さを感じる。

 

    この「鬼十則」を机に貼って

     毎日眺めていれば、あなたも仕事の

     鬼になれるかもしれない。

 

     鬼が増えすぎるのもの考えものだが….

 

           明言もたくさんある。

 

     すべてが悪いわけではない。

 

しかし

「取り組んだら放すな、殺されても放すな ・・」

   という内容が過重労働につながる

   という指摘を受け 社員に配る手帳への

   掲載を取りやめた。

 

  時代の流れに合わない社風を変えなければ、

   という苦渋の決断だったのであろう。

 

「鬼十則」は、65年の歴史に

  終止符を打つことになる。

 

*今日一日の人生を大切に!

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トンビ博士

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