近江商人・呉服商の家訓に学ぶ「衰退の兆し」  vol.69

◇ 世界には商才に長けた民族がいますが、

    その中でも有名なのは「ユダヤ人」「温州人」

 

    日本では「近江商人」がそれにあたります。

 

                本日は、300年続く

         「近江商人•呉服商の家訓」 

            みなさんに紹介いたします。

 

 適切な場所を選び、適切な商品を商い、

 その際、利益を薄くして得意客を敬い、

 質素倹約を旨として、主人は油断することなく、

 また 使用人は骨身を惜しまず 働く。

 

  これこそが家業が発展する基本であり、

 その基本を行えば、お客は集まり、

 店は必ず盛んになる。

 

 そのようにして大店となり、財を成し、

 蔵が建つほどになり、親族は敬い、

 同業者も従うようになると、

 その店の権威は高くなる。

 

 そうすると、主人はそれを誇るようになり、

 使用人も怠けるようになる。

 

 この時に 衰退の兆しが現れるものだ。 

 

  これが世の道理である。     

 

 だから、家業が成功して盛んになって

 きた時には、主人も 使用人も

 すべて勉励を心がけ、

 決して油断なく一日中栄利が

 増えるようにすれば、

 ますます家業は盛んになる。

 

これに反して、

主人も使用人も 驕って威を奮い、

日々安心して 家産は永久になくならないと思い、

そのうちに 秋風が吹くことを 知らないでいると、

 

衰退が始まるものであり、にわかに問題が起きて、

 初めて衰退を知ることになる。

 

その段階では、もはや挽回することはできない。

 

 この分かれ目を知るのは大変難しい。

 

貴賎貧富にかかわらず、他を軽侮する気持ち、

 驕(おご)りが心に起こったら、

 その時が衰退の始まりであり、

 

 衰退をもたらす諸々の問題は

 すべてここから起こってくる。

 

 

◇ 問題が起きて、

    人は、はじめて衰退を知ります。

 

   しかしその時は、もう遅い、手遅れと

   この家訓は教えています。

 

   ドラッカーは「すでに起こっている未来」

   という言葉を盛んに使いますが、

   衰退の兆しをいかに早い段階でつかむか

    が明暗を分けます。

 

  「 近くて見えぬは睫(まつげ)   」といいますが、

   自分自身のことを客観的に見ることは

   なかなか難しいものです。

 

  その時に必要なのが良き指導者であったり、

  メンター的な存在だったりします。

 

  指導や助言素直に耳を傾け

  すでに起こっている未来を的確に

   つかめるようになりたいものです。

 

*今日一日の人生を大切に!

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トンビ博士

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