世阿弥の言葉 「初心忘るべからず」  vol.28

◇ 「初心忘るべからず」  

いろんなところで、この言葉を耳にしたり、

家によっては、お座敷にこの言葉を

額縁に入れて飾ってあったりします。

 

誰でも知っている言葉ですが、

これが世阿弥の言葉であることを

知らない人は多い。

 

◇世阿弥は

「時々の初心忘るべからず」

正確には、このように言っています。

 

歳とともに、そのときどきに

積み重ねていくものが

「時々の初心」です。

 

世阿弥にとって「初心」とは、

「新しい事態に直面したときの対処方法」

 

すなわち

「試練を乗り越えていくための考え方」

を意味します。

 

つまり「初心忘るべからず」とは、

 

「どうやって試練を乗り越えたか、

     その時の経験を忘れるな !」

 

という意味になります。

 

◇世阿弥は、晩年の60歳を過ぎた頃に

 書いた「花鏡」という本の中で

 

 第一に 「初心忘るべからず」

 第二は 「時々の初心忘るべからず」

そして第三は「老後の初心忘るべからず」 

 

この3つの「初心」について語っています。

 

この「時々の初心」を忘れなければ、

より良い人生につながるという意味です。

 

そうなんです。

 

「初心」とは

「若い時の、あの時の気持ちを

                       いつまでも忘れない」

 

と思っているかもしれませんが

 

そうではなくて、

 

「時々刻々の思いを忘れないで、

その経験を次に生かすように」

 

という戒めだと思われます。

 

<今日の明言>

 思っているだけで 何もしないんじゃ

 愛してないのと 同じなんだよ。

 愛しているんだったら 態度で示せよ 

             by寅さん

*今日一日の人生を大切に!

トンビ博士

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