◇ 「初心忘るべからず」
いろんなところで、この言葉を耳にしたり、
家によっては、お座敷にこの言葉を
額縁に入れて飾ってあったりします。
誰でも知っている言葉ですが、
これが世阿弥の言葉であることを
知らない人は多い。
◇世阿弥は
「時々の初心忘るべからず」と
正確には、このように言っています。
歳とともに、そのときどきに
積み重ねていくものが
「時々の初心」です。
世阿弥にとって「初心」とは、
「新しい事態に直面したときの対処方法」
すなわち
「試練を乗り越えていくための考え方」
を意味します。
つまり「初心忘るべからず」とは、
「どうやって試練を乗り越えたか、
その時の経験を忘れるな !」
という意味になります。
◇世阿弥は、晩年の60歳を過ぎた頃に
書いた「花鏡」という本の中で
第一に 「初心忘るべからず」
第二は 「時々の初心忘るべからず」
そして第三は「老後の初心忘るべからず」
この3つの「初心」について語っています。
この「時々の初心」を忘れなければ、
より良い人生につながるという意味です。
そうなんです。
「初心」とは
「若い時の、あの時の気持ちを
いつまでも忘れない」
と思っているかもしれませんが
そうではなくて、
「時々刻々の思いを忘れないで、
その経験を次に生かすように」
という戒めだと思われます。
<今日の明言>
思っているだけで 何もしないんじゃ
愛してないのと 同じなんだよ。
愛しているんだったら 態度で示せよ
by寅さん
*今日一日の人生を大切に!