◇「他人がこちらに何らかの
恩恵を施したら、似たような形で
そのお返しをしなくてはならない」
このような気持ちになってしまうことを
「返報性の法則」と言います。
◇親切や贈り物、招待などを受けると、
そうした恩恵を与えてくれた人に対して
お返しをせずにはいらない
そんな気持ちになるのです。
人間は、他人からこうした恩恵を
受けると、何か借りができたように
感じてしまいます。
相手を好きだろうと嫌いだろうが
そんなことは関係ありません。
「借りを返さなければ」 という
義務感を感じ、実際、その通りに借りを
返そうとするのです。
◇たとえば
スーパーマーケットで買い物をすると
通りすがりに試食品がよく提供されます。
試食品を少量渡されて、
「食べてみませんか、美味しいですよ!」
と勧められます。
そしてついつい勧められがままに
食べることになります。
そして試食品がそれほど気に入ってなくても、
ついつい買ってしまうことになります。
意志の強い人は決してそのようなことには
ならないかもしれませんが、
多くの人が何らかの「プレッシャー」
のようなものを感じます。
◇また、ある人が頼みもしないのに
勝手に親切にされることによって、
私たちの心の中に親切に対する
「恩義の感情」を生み出します。
最初のささいな好意は、
相当大きな好意を返さなければならない
という義務感をも生じさせます。
◇この心理を逆に利用すると、
最初の好意が小さいものでも、
お返しとしてもっと大きな好意を
引き出すことができるということになります。
その理由は、
「恩義の感情」が明らかに負担を
感じさせるものであるということです。
私たちの多くにとって、
「恩義を受けている状態」
というのはとても気になるものなのです。
人によっては、
ずしりと肩に食い込む、
この重荷を下ろしてみたい
という気にもなります。
私たちは恩義を受けたときに
気になるにように条件づけ
られているようです。
ここでもまた「プレッシャー」の
ようなものを感じます。
我々は恩義を受けた場合に、
何らかの落ち着かない気持ちになるように
子どものときから訓練されているのです。
つまり、
「受け手がお返しをしなければならない」
という義務を負うために、
相手が何も言わないのに
勝手に譲歩を行って、
それによって相手とのやり取りから
利益を得ることができるようになります。
◇この「返報性の法則」は、
日常的な生活だけでなくマーケティングや営業等
いろんなところに利用されます。
この「返報性の法則」をビジネスや生活の中に
うまく応用していけば
より良いコミュニケーションに
つながるかもしれません。
その時のポイントは、
「まず先に、与えること」
*今日一日の人生を大切に!