◇ いったん「下級国民」に
落ちてしまえば、
「下級国民」として老い、
死んでいくしかない。
幸福な人生を手に入れられるのは、
「上級国民」だけだ。
格差拡大は止めることはできない。
◇ 自由な社会を目指す運動を
「リベラル」という。
とてつもない豊かさを背景に
若者たちはますます
「リベラル」になっていく。
リベラルな社会では、
「私が自由に生きているのだから、
あなたにも自由に生きる権利がある」
と考えるようになる。
これは
「他者の自己実現には干渉しない」
ということであり、
もっとくだけた言い方をすると、
「あなたの勝手にすれば」
ということになる。
◇ リベラルは、人種、出自、
宗教、国籍、性別、などの
いっさいの差別を認めない。
なぜなら、それらは、
本人の意思や努力では
どうにもできないことで、
自己実現を阻むからだ。
しかし、これは、
「本人の意思(やる気)で
格差が生じるのは当然だ」
「努力は正当に評価され、
社会的な地位や経済的な豊かさに
反映されるべきだ」
ということになる。
これが「能力主義(メリトクラシー)」
であり、
リベラルな社会の本質である。
◇ 誰もが自己実現できる
リベラルの理想世界は、
究極の自己責任の世界になる。
価値観が多様化し、
一人一人の好き嫌いや考え方、
利害が異なるようになれば、
「いっしょに何かをやる」ことは難しくなる。
こうして欧米では
教会を中心としたコミュニティが解体し、
日本でも町内会、労働組合、PTAといった
かつては大きな影響力を持った「中間団体」で
さまざまな問題が噴出している。
リベラルな社会の負の側面は、
自己実現と自己責任が
背反したことであり、
そしてその自由が、
共同体を解体する運命にあるのである。
◇ ますます複雑になる社会のなかで、
人々は人間関係に疲れてしまい、
プライベートなときくらいは
「ひとり」になりたいと思う。
その結果、先進国の都市部を中心に
「ソロ化」が急速に進んでいく。
つづく
今日一日の人生を大切に!
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